北米ギター放浪記 メドヴィル幽霊ホテル 2014年8月7日〜9日 寒さで目が覚めると霧が出ていました。場所によっては数メートル先も見えないようなフリーウェイを慎重に運転しながらI氏宅近くの出口で出て、ガソリンスタンドでまずはコーヒーを一杯。I氏によれば、この辺りは鹿がよく出るとそうで、今はたまたまそれほど出る季節ではないとのこと。あの霧の中で突然出てこられたら対応に苦慮しそうです。 I氏の提案で、この日はピッツバーグまでラーメンを食べに行くことになりました。夜に予定していたライブはキャンセルになりましたが、代わりにI氏の手配で近くにあるConneaut湖畔のホテルでBGM演奏させてもらうことになりました。ピッツバーグまでは距離にして100キロほどなので、ラーメンを食べに行った距離としては、この年2月の酒田に次ぐ遠さかもしれません。従業員は向こうの方達でしたが、味は中々しっかりしていました。帰りに日本食材のスーパーに寄り、煎餅とほうじ茶を大人買いしました。甘味料の入っていないお茶は中々見つからないのです。 メドヴィルに戻って一休みしてからホテルへと向かいました。湖畔にたたずむ歴史を感じさせる建物で、幽霊が出るという噂で有名とのこと。そう聞いていたからかロビーに入った時に何となく冷やっとしました。演奏はダイニングルーム件パブのようなスペースで小一時間行いました。I氏の同僚やたまたま居合わせた人達が観客です。いつものことですが、皆さんが食事をしている間に演奏するため、少しはつまみましたがホテルを出る頃には少し小腹が空いた状態になっていました。そこで、メドヴィルの街中に戻ってファミレス系の店で夜食を取り、その後、近くのモーテルにチェックインしました。 翌日のことはなぜか余り記憶がないのです。当時のFacebookの書き込みによれば、昼は前日にピッツバーグで購入した煎餅とほうじ茶で済まし、夜にはI氏宅でお手製ミートソースを御馳走になったとあるので、もう一泊メドヴィルでしたことになります。何をしていたのでしょうか。一つはっきりと覚えているのは、ホテルのサービスで付いていた朝食を取っていた時、隣のテーブルにコスプレのような古い衣装をまとった二人の女性がいたことです。後でI氏に聞いたところ、近くにアーミッシュのような集落があり、たまに町に出て来て集会をするとのと。車道を馬車が走っていることもあるそうです。 出発の日は、チェックアウトに合わせてI氏がお手製おむすびを持って来てくれました。ペンシルバニアの片田舎で頑張っている後輩の姿に元気を貰い、この日の夜に演奏することになっているデトロイトを目指したのでした。コロラド州バーザウドのチャックのお母さんクレオの家です。 *文中に登場する人物は、本人の確認が取れるまではイニシャル表記にしてあります。 |
目 次 |
はじめに
|