北米ギター放浪記 休息日 2014年6月16日〜17日 さて、いきなり空振りしたレディングでしたが、車中泊も小柄な私には何の支障もなく意外に快適でした。ただ、寝過ごすほどではなく、夜明けとともに目が覚め、トイレで朝の一通りの営みをしてから1日遅れでN氏との予定をこなせればとの淡い期待を胸にいだきながらレディングへと向かいました。次の予定は翌日のサンフランシスコ郊外と移動距離も少ないので、この日は丸一日レディングにいることが可能でした。 一つ前の「カリフォルニアへ」の最後の方で、N氏と連絡を取り合ったような書き方をしていますが、これは私の記憶違いで、この時点では連絡が取れていなかったのでした。YouTube経由で知り合ったことは覚えていたのですが、その後のやり取りがメールだったのかYouTubeのメッセージだったのかすら忘れていたのです。 レディングには朝の10時に着き、取りあえずWi-Fi環境のある中でじっくりと探そうと思い、街のほぼ中央にあったモーテルにチェックインしました。チェックイン時間は3時となっていましたが、部屋が空いているのですぐに入れるとのこと。二日振りのシャワーを楽しみにその部屋の鍵を開けると、女性が寝ているではないですか。私も向こうもびっくりです。再びフロントに戻ると「そうか、じゃこっちの部屋で」と違う部屋の鍵を渡され、恐る恐るその部屋を開けると、今度は誰もいなくてベッドもきちんとメークされていました。ただし、Wi-Fiは別途料金が掛かるとのこと。たかだか$2.99ですが、マクドナルドやスターバックスなどに行けば無料Wi-Fiが使用できることを知っていたので、シャワーを浴びてから近くにあったマクドナルドに行き、N氏とのやり取りを探し始めましたが、これがなかなか見つかりません。そうこうしているうちにMacBook Proのバッテリーアイコンが赤くなり始めたので、とりあえずモーテルに戻って洗濯をしました。 洗濯しながらフロントに寄ってWi-Fi代$2.99を支払おうとすると、フロントの若者が私が50歳以上であることに気付き、支払おうとしたら「いいよ」と奢ってくれました。本来は50歳以上であることを証明する会員カードを持っていれば宿泊代等が割引になるとのこと。移動中の身ゆえカードを取得するのは無理ですが、見知らぬ土地でこういう優しさに触れるとホッとします。 渡米してほぼ一週間が経ちましたが、この日は初めて一人で過ごす時間が持てました。こう見えて異常なまでに気を使う方なので、神経が疲れていたのでしょう。気付いたら洗濯物をベッドの上にばらまいたままもう一つのベッドで寝ていました。夕方に目が覚めて、明るいうちにということでギターを弾き始めました。この二日間はギターに触れてもいなかったのです。すると、そのまま再び寝入ってしまい、起きたら今度は朝の4時でした。ギターを抱えたままベッドから足を垂らした状態だったのですが、ギターを落としてはいけないという意識が働くのか、全身が硬直していて起き上がるのに一苦労でした。その後、シャワーを浴びてフロントにある無料コーヒーを頂き、すっきりした頭でN氏を探し始めたらメールのやり取りがすぐに見つかりました。遅れたことを詫びて、今日の昼頃まではレディングに滞在できるので、一目お会いできないかと携帯番号を添えてメールしました。すると、9時頃に電話があり、11時前にお茶ぐらいならできるので是非会いたいとのこと。モーテルをチェックアウトしてから指定された場所で車を停めて待っていると、再びN氏から連絡があり、予定外の仕事が入り会社を出れないとのこと。残念ですが仕方ありません。次回は必ず時間通りに来ると約束し、サンフランシスコに向かうことにしました。 *文中に登場する人物は、本人の確認が取れるまではイニシャル表記にしてあります。 |
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はじめに
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