北米ギター放浪記

サニーベール

2014年6月18日

ベイブリッジを渡る時に右手に見えるサンフランシスコのスカイラインは、私の中ではアメリカにおける最高の景観の1つです。初めてこの橋を渡った時は、その美しさのあまり、有料にも関わらずすぐに引き返してまた渡ったぐらいです。トニー・ベネットの「想い出のサンフランシスコ」、ビージーズの「Massachusetts」、スコット・マッケンジーの「San Francisco(Be Sure To Wear Some Flowers In Your Hair)」などの曲がラジオから掛かるともうそこは映画の世界です(ビージーズの曲は歌詞の中でサンフランシスコが登場するだけですが)。

この日は、M氏の誘いでサンフランシスコ郊外のサニーベールという街でハウスコンサートをすることになっていました。それ以外の情報はまったくないまま南へと車を走らせていると、いつの間にかサンフランシスコを通り過ぎ、楽しみにしていた街並を見ることもなく2時過ぎにはこの夜演奏する家の近くのモーテルにチェックインしました。ナビゲーション頼りだとこういうことになるということを実感したのでした。約束の時間までまだかなりあったので、道中iPod touchのランダム再生で聴いていてアイデアが浮かんだウェザーリポートのバードランドをアレンジし、まだα版のような仕上がりではありましたが、録画してこの夜の宣伝ビデオとしてYouTubeにアップしました。道中にアイデアがひらめき、モーテルに入ってすぐに録画するというのは、今後も幾度となく繰り返されることになります。

今回の旅で初めての家での演奏ということで、緊張していたようです。セットしたカメラはオンにし損ね、録音も設定ミスで音量が小さすぎました。M氏によれば、この家の持ち主が出掛けている間に私が演奏するとのこと。すぐには事情がのみ込めませんでしたが、要は、この会のために数時間レンタルしたわけです。演奏そのものは、モーテルで指馴らししたおかげで、その時点で最高のものを披露できたと思います。ただ、何を弾いたかは今となっては皆目見当もつきません。数組のカップルと数人のお客さんを相手に、会話を挟みながらのまさにアットホームなライブでした。終演後に家の持ち主夫妻が帰宅し、折角の機会ということで、彼らのリクエストに応えてさらに何曲か弾きました。

翌日は、LAまでの長距離ドライブが控えていたので、まっすぐモーテルに戻り、録音・録画とも失敗していることにがっかりしつつも、空振り後にしては上々の出来だったことに満足しながらまた寝落ちしたのでした。前回もそうでしたが、ベッドの上にそのまま寝たので、ベッドメークはとても楽だったはずです。

*文中に登場する人物は、本人の確認が取れるまではイニシャル表記にしてあります。

「休息日」Supporter's Area「LAへ」

目 次

はじめに
出国まで
シアトル
カリフォルニアへ
休息日
サニーベール
LAへ
レドンドビーチ
ツーソンへ
アルバカーキ
コロラドへ (奇跡の旅の始まり)
バーザウド
デンバー
オクラホマシティーへ
オクラホマシティー 2 days
テキサスへ
サンアントニオ
ジョージタウン
ダラス
ヒューストン 2 days
ベントン
ナッシュビル (CAAS)
ロスウェル
タンパ 2 days
マイアミ
オーランド 2 days
マートルビーチ
チャペルヒル 3 days
キングスポート
インディアナへ
インディアナ州フィンガースタイルコンテスト
スタテンアイランドへ
マンハッタン
フィリップスバーグ
ナザレス(マーチン工場)
マサチューセッツへ(奇跡の完結)
メシュエン
モントリオールへ
バッファローへ
メドヴィル前乗り
メドヴィル幽霊ホテル
デトロイト
シカゴ
ミネアポリス
番外編
番外編#2「2008年欧州ツアー/出発まで」
チェコ1
チェコ2
ロンドン
リバプール
チェシャム
ドイツへ
レムゴ
インゴルシュタッド
ブレゲンズ
イタリアへ
フィレンツェ
最後のライブ
帰国