北米ギター放浪記 タンパ 2 days 2014年7月15日〜16日 ジョージア州ロスウェルからフロリダ州タンパまではナビで8時間と出たので、ぐずぐずしているとレディングの二の舞になり兼ねません。脇目も振らずにひたすら南下したのでした。実は、この旅が決まった時点でフロリダからは結構な数の引き合いがあったのですが、夏休みシーズンということもあって日程の折り合いがつかず、タンパを除けば何も決まっていなかったのでした。ここまで来てマイアミに行かないのも悔しいので、漠然とタンパ→マイアミ→オーランドのルートで行こうなどと考えていたら、1980年代後半にギター弾きとして出演した舞台「にんじん」に出ていた女優のO氏がフロリダにいて以前Facebookで繋がっていたことを思い出しました。すかさずフロリダ州手前のレストエリアで連絡したところ、オーランドにいるとの返事が来ました。タンパに2日、マイアミに1日いるとして3日後の予定を聞いたところ、その日は都合が付かないけど翌日だったら何とかなるとのこと。フロリダの次のサウスカロライナ州はすでに決まっていたので、逆算したところ、オーランドの二日目の晩に出れば何とか間に合います。それではお茶でもということになりました。ただ、マイアミとオーランドの一日目はまだ未定なままです。 フロリダ州に入ってすぐに豪雨に見舞われ、一時は視界が10メートルもない状態に。制限速度120キロのところを50キロぐらいで走っている車もいるので、iPod touchのBGMも止めて運転に集中しました。おかげでフロントグリルにへばりついていた無数の虫もきれいさっぱり洗い流されました。下の動画は、まだ片手で撮影しながら運転する余裕があった時のものです。 豪雨を抜けた頃にはすでに辺りは暗くなり始め、夕方に着くという予定はすでに無理な状況でした。この日お世話になるボブに到着は9時頃になると連絡すると、飯作って待っているからゆっくり来いとのありがたい返事が。何とか9時前に着くと、サンアントニオの時と同じように敷地内に入る手前にセキュリティーゲートがある高級団地でした。 飯は、タイ米と思われる白米の上にシャケが乗ったもので、シャケはまぁ普通でしたが、米は噛み砕かないといけないレベルでした。折角の好意にケチつけるのも何なので、頑張ってポリポリと音を立てながら完食しました。「おかわりするか?」の問いには「もうお腹一杯です」と答えました。実際、ゆっくり食べるとそんなに量がなくても腹は満たされるのです。 タンパでは、ボブの家に泊めてもらうことだけが決まっていて、特に演奏の予定はありませんでした。ボブの家もサンアントニオに負けず劣らずの豪邸で、二日いてもすべての部屋には行き切りませんでした。ステレオからテレビまでAV系の機器はすべてソニーで統一されていました。車や家電製品における日本製品への信頼度が高いのはここまで会った人達との会話から分かっていましたが、実際には群を抜いていると言ってもいいでしょう。演奏は、そのソニー製品に囲まれた部屋で何度かマンツーマンでしただけでした。 翌日は、敷地内にある湖(池ではなく湖なのです)のほとりを散歩したり、その日の夕食の買い出しに行ったりと、まったりした時間を過ごしました。湖の遊歩道は湖面から1メートルも離れていないのですが、ところどころに「ワニに注意」の看板が。オクラホマでの竜巻同様、見たいけど遭遇したくないという複雑な心境で全神経を湖面に向けながら歩いたのは言うまでもありません。買い物に行ったスーパーの敷地内には自動車整備屋もあったので、この機会にオイル交換でもとしてもらおうと寄ったところ、レンタカーであれば指定された整備屋に行けば無料でやってくれるとのこと。特に不調というわけではなかったので、今回は見送ることに。 スーパーで買い物をしている時にさりげなくこの日の献立を聞いたところ、やはり白米を炊くとのこと。そこで、今日は私が炊きましょうと申し出ました。ところが、IHは火加減が難しく、結局お粥みたいになってしまったので、歳取ったらこっちの方がお腹に優しいなどとへ理屈で納得させました。 豪邸の一室にはアトリエのようなものがあり、そこにはポップな絵が何枚か飾ってありました。ボブはギターと絵が趣味なんだそうです。なかなか私好みな絵でした。 三日目の朝は別れの朝です。いつもの熱くてドライな別れを惜しみつつ予定のないマイアミを目指してボブ邸を後にしたのでした。 *文中に登場する人物は、本人の確認が取れるまではイニシャル表記にしてあります。 |
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はじめに
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