北米ギター放浪記

ダラス

2014年7月2日〜3日

ジョージタウンからダラスまではナビによれば3時間弱とのこと。夕方までに着くと伝えていたので時間はたっぷりあります。Wi-Fiの通じるレストエリアで翻訳に精を出すのでした。この時点で既に納期ギリギリで、今後の予定を考えれば遅れることは必至でした。人生良いことばかりではないということです。

ダラスと言えば、半世紀以上前にケネディ大統領が暗殺された街です。翻訳のことを思えば寄り道している場合ではないので、ナビに従ってこの日お世話になるエリック氏のところに直行し、その近所のスタバで作業に取り掛かるつもりでしたが、ダラスのダウンタウンが見えてきたらいつの間にかフリーウェイから降りていました。下の動画はまさにその時のものです。本来は左に進むべきでした。すぐに戻ろうとしたのですが、今度はナビで誘導されたフリーウェイへの入口がその日に限って閉鎖されていました。別の入口を探しているうちに1時間はロスしたと思います。

このロスもあり、翻訳は諦めてそのままエリック氏宅に向かいました。教えてもらった住所に着くと、そこは日本で言うマンションのような団地のような建物でした。いくつかの棟があり、エリック氏が住んでいる棟を探すのにも少し手間取りました。荷物を部屋まで運び、しばし談笑してからエリック氏の車でこの日参加するオープンマイクの店に向かうことに。そして、このエリック氏の車こそ私が最初に乗りたいと思ったリンカーンコンチネンタルでした。年代は忘れましたが、日本風に言えば6000ccクラスの大型車で、キャディラックと並ぶ高級車として一時代を築いた名車です。フカフカの乗り心地にやはり無理してでもこれにするべきだったかと思ったのも束の間、ほどなくして車内の温度が上がり、窓を開けるように指示されました。エアコンがたまに動かなくなるとのこと。続いて、運転席のシートベルトを格納する窓枠側のパーツがゴソッと落ちてきました。乗り心地と車内泊の快適さとの代償としてはこれだけでも十分な気がしました。

ただ、あのケネディー大統領が暗殺された道を偶然にも通ってくれたので、ついでではありますが目的の一つは達成しました。店は、入ると一瞬暗闇に見えるほど暗く、目を凝らして見るとかなりの広さです。そこにこの日の出演者とおぼしき人が何人かいるだけなので、私にはすっかりお馴染みの閑古鳥が鳴いている状態です。しかし、この日の目的はエリック氏に演奏を聴かせることだったので、この状況はまったく気になりませんでした。ただ、やはり翻訳のことが頭の片隅に残っていたのか、演奏自体は無難にこなしたというレベルだったのが心残りでした。またリベンジに来なくては行けません。

食事は家で食べたように思うので、演奏後はおそらく真っ直ぐ帰宅したのだと思いますが、この辺の記憶は定かではありません。軽くアルコールを口にしながらエリック氏のギターを弾かせてもらったりエリック氏の彼女も交えた三人で深夜近くまで色々と話しに花が咲いたのでした。エリック氏達が寝室に入ってから翻訳を始めましたが、この時点で納期に間に合わないことは確実でした。今後仕事が来なくなることを覚悟しつつも、やれるだけのことはしないと気が済まない性分なので、脳の回転が停止する直前まで粘りました。

翌朝は久し振りの雨でした。彼女が仕事に行く支度の音で目が覚め、彼女にお別れを言ってから在宅勤務のエリック氏と朝食を取り、いつものように熱くてサバサバした別れの後に次の目的地であるヒューストンを目指したのでした。ナビでは4時間弱と出ましたが、ヒューストンは全米第二位の大都市だとのこと。多少の渋滞は覚悟しなくてはなりません。

*文中に登場する人物は、本人の確認が取れるまではイニシャル表記にしてあります。

「ジョージタウン」Supporter's Area「ヒューストン 2 days」

目 次

はじめに
出国まで
シアトル
カリフォルニアへ
休息日
サニーベール
LAへ
レドンドビーチ
ツーソンへ
アルバカーキ
コロラドへ (奇跡の旅の始まり)
バーザウド
デンバー
オクラホマシティーへ
オクラホマシティー 2 days
テキサスへ
サンアントニオ
ジョージタウン
ダラス
ヒューストン 2 days
ベントン
ナッシュビル (CAAS)
ロスウェル
タンパ 2 days
マイアミ
オーランド 2 days
マートルビーチ
チャペルヒル 3 days
キングスポート
インディアナへ
インディアナ州フィンガースタイルコンテスト
スタテンアイランドへ
マンハッタン
フィリップスバーグ
ナザレス(マーチン工場)
マサチューセッツへ(奇跡の完結)
メシュエン
モントリオールへ
バッファローへ
メドヴィル前乗り
メドヴィル幽霊ホテル
デトロイト
シカゴ
ミネアポリス
番外編
番外編#2「2008年欧州ツアー/出発まで」
チェコ1
チェコ2
ロンドン
リバプール
チェシャム
ドイツへ
レムゴ
インゴルシュタッド
ブレゲンズ
イタリアへ
フィレンツェ
最後のライブ
帰国